セブン SEVEN (1995年 アメリカ合衆国)
鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の名作。
主演、ブラッドピット。相方役のモーガン・フリーマンとのやり取りも面白い作品です。
【ストーリー】
雨の降りしきるとある大都会。
退職まじかのベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と新人刑事のミルズ(ブラッド・ピット)
は、とある死体発見現場へ向かっていた。
死体となっている男は信じられないほどの肥満体、彼は食べ物の中に顔をうずめて死んでいた。
死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。
何者かに手足を拘束された状態で、銃で脅されながら強制的に食事をとらされていたことが
判明し、殺人事件と断定された。
サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチック破片から、
現場で犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、
事件の始まりを示唆したメモ書きを発見した。
次の被害者は強欲な弁護士の男。
彼は高級オフィスビルの自室で血まみれの状態で殺害されていた。
現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字。
サマセットは、犯人が「七つの大罪」をモチーフにして連続殺人を犯していると判断した。
その後の捜査で、壁に指紋で書かれた「HELPME」の文字が発見され、指紋から前科者の
通称ヴィクターが浮かび上がった。
警察がヴィクターの部屋に踏み込むと、
彼は左手首を切られ、舌を噛み切った状態で、ベットに縛り付けられ廃人となっていた。
壁には「SLOTH(怠惰)」の文字。
部屋には警察が踏み込んだ日の1年前からヴィクターが衰弱していく模様を写した写真が残され、
犯人は計算した上でヴィクターを拘束した1年後にヴィクターの部屋に踏み込ませたのだった。
手がかりを失ったサマセットは知人のFBI関係者と裏取引し、
図書館の貸し出し記録を違法に入手する。
その記録から「七つの大罪」に関する書物を借りていた明らかに偽名と分かる
サマセットとミルズがジョンのアパートを訪ねると、偶然、帰宅してきた彼と鉢合わせする。
ジョンは2人に発砲すると逃走をはかり、ミルズは後を追うが、隠れていたジョンに顔を殴られ、
頭に銃口を突きつけられる。しかし、何故かジョンは撃たず、逃走する。
警察がジョンの部屋の捜査を始めると、これまでの被害者の写真が発見され、
彼が一連の事件の犯人と断定される。
さらには、ヴィクターの自宅を捜査していた時に撮られたミルズの写真も発見される。
ジョンは大胆にも報道カメラマンを装って警察の前に現れていたのだった。
そこへ、ジョンから電話があり、彼は警察への称賛と計画変更を挑戦的に告げる。
ほどなくして、ある娼婦が、4番目「LUST(肉欲)」として殺害される。
続けざまに美人モデルが5番目「PRIDE(高慢)」の死体として発見され、
彼女は自慢の顔面を切り裂かれたことで、警察・病院へ通報することなく、自らの命を絶っていた。
「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」が残る中、
サマセットらが勤める警察署に血塗れの服を着たジョンが自首してくる。
ジョンは取り調べを受けるが、彼の本名、経歴、目的は一切不明。
ジョンは弁護士を通じてミルズとサマセットの2人を指名し、
彼らに残る2つの死体の隠し場所を教えるという。
ジョンは2人を伴って、ある荒野に連れて行かせる。
3人が待っていると、宅配便がやってきて1つの小さな箱を置いていく。
サマセットが調べると、箱の中にはミルズの妻・トレイシーの生首が入っていた。
ジョンはミルズに箱の中身を教え、自分は彼を羨んでトレイシーを殺したと明かした。
逆上したミルズはサマセットの制止を無視してジョンを射殺する。
6番目の「ENVY(嫉妬)」はジョン自身、7番目の「WRATH(憤怒)」はミルズのことだったのだ。
ジョンの目論みは成功し、彼の正体も動機も不明のまま事件は終結した。
次々と事件が展開されていく中で、
ミルズとサマセットのやり取りがとても面白い作品です。
スピード感のあるストーリー展開で、目が離せません。
デヴィッド・フィンチャー監督の作品はどれも面白いですが、
セブンが知名度・内容ともに一番の作品ではないでしょうか。
映画好きの人は絶対に見ておくべきおすすめ作品です。
グロテスクなシーンもあるため、そういった刺激に弱い方は少し注意してください。