オーロラの彼方へ


オーロラの彼方へ  (2000年 アメリカ合衆国)

親子愛あふれる感動のSFサスペンス。
時を越えて繰り広げられる父と息子の愛に感動の一作です。

親父とは何か、息子とは何か。
どちらの立場でみても感動の名作です。

もちろんお母さんも。

親子の良さ、家族の良さを感じさせてくれる隠れた名作です。


【出演者】
ジョン・サリバン : ジェームズ・カヴィーゼル
フランク・サリバン : デニス・クエイド
ジャック・シェパード : ショーン・ドイル
ジュリア・サリバン : エリザベス・ミッチェル
サッチ・デレオン刑事 : アンドレ・ブラウアー
ゴード・ハーシュ : ノア・エメリッヒ
サマンサ・トーマス : メリッサ・エリコ


【ストーリー】

1969年太陽フレアの活発化(太陽嵐)の影響により、
ニューヨークでは異常気象によるオーロラが観測されていた。
深夜、ニューヨーク市の消防士フランク・サリバン(デニス・クエイド)は
地下変電所で起きた火災で中に閉じ込められた作業員を救出するために出動した。
炎と煙に巻かれた地下変電所から作業員をあわや大爆発のところで辛くも救助に成功し、
自分の仕事に満足して翌朝自宅に戻った。


自宅では看護師で妻のジュリア・サリバン(エリザベス・ミッチェル)と、いつも“チビ隊長”と呼んでいる
息子のジョン・サリバン(ダニエル・ヘンソン)が帰りを待っていた。
フランクはラジオから流れてくる音楽に合わせてジュリアと台所で踊り、その様子をジョンは親友のゴードン・ハーシュと幸せそうに眺めていた。だがその後、父は倉庫火災で殉職した。


1999年、30年前と同じようにニューヨークオーロラが観測されていた頃、
ジョン(ジェームズ・カヴィーゼル)は結婚を約束して同棲をしていた女性が意見の相違から
家を出て行き、くさくさした気分で近くの野球場でビールを飲み、
夜空のオーロラを眺めて亡くなった父親の事を考えていた。
ビールも飲み終え自宅に戻るとそこには親友のゴードン(ノア・エメリッヒ)が
息子を連れて遊びに来ていた。
ゴードンはまた別の女性を見つければ良い、と適当に慰め、
インターネット検索エンジンを経営する会社の株で損をした、
買っておけばよかったと愚痴を零すばかりだった。
ジョンは勿論本気で相手にせず、ソファーで横になった。


退屈したゴードンの息子は長い間開けられていなかった押し入れを開け、
そこにしまってあったジョンの父親の遺品であるアマチュア無線機を発見する。
ゴードンと一緒に「なつかしいな」「親父はよくいじっていたな」と話し、
ゴードンはそれを生前のフランクと同じように同じ机の上に置いた。


ゴードン親子が帰った後もジョンは懐かしさが手伝って電源を入れ、適当にいじっていると誰かと繋がり、
相手の男は無線機でCQ15と名乗った。
だがそれは今ジョンがいじっている無線機の番号で、
その上相手は1969年ワールドシリーズで闘うニューヨークメッツの事ばかりを話す。
不思議に思っていると、無線機の向こうで男は「こっちだ、チビ隊長」と呼びかけた。
一瞬の内にジョンは、この無線機の向こうにいる男は1969年に殉職した父親だと悟り、
色々なことを話し始めるがそれを怪しんで「うちの息子に近づくな」と脅す父親に
「火災事故で死んでしまう」と必死に訴えた。


翌日フランクは昨晩の男が言った通り倉庫火災の現場に駆り出され、
その上ラジオから聞こえてくるメッツの試合展開は男ジョンが伝えた通りになった。
倉庫火災の現場でビルの最上階に取り残された少女を助けるためにフランクは単身火災現場に
乗り込み、少女を助けると昨日のジョンの助言を信じた事で、辛くも生還する。


その日の夜ジョンが無線機の置いてある机を見るとそこには「俺は生きているぞ チビ隊長」の
文字が焼き付けられ、ジョンは慌てて無線機で30年前の父に呼び掛けた。
ジョンの脳には殉職した父と肺癌で亡くなった父の両方の記憶が刻み込まれており、
ジョンは父に今すぐ煙草を止めるように忠告し、父はジョンにこの30年間の事を聞いた。
無線機の向こうにいる過去の自分とゴードンに話しかけ、
ゴードンには大人になったらYahoo!の株を買え、と伝えた。


無線が切れてから眠りに入ると、何故か不吉な、誰かの葬儀に父と一緒に参列している夢を見た。
ジョンは目覚めて不安に襲われ、離れて暮らす母親に電話を掛けたが、
いつもと同じ番号に掛けたのにその番号は行った事も無いバーに繋がった。
翌日、30年前に発生した看護師ばかりが殺害された「ナイチンゲール連続殺人事件」の
被害者と思われる新しい遺体が発見され、そこで同僚の刑事にある言葉を発せられ、
ジョンが警察署で被害者ファイルを開くとそこには母のファイルが入っていた。


本来ならば死ぬはずの父を救った事でタイムパラドックスが発生し、
今度は母が「ナイチンゲール連続殺人事件」の被害者になってしまったのだ。
ジョンは無線で父と相談し、親子の連係プレーで母を、
ひいては他の犠牲者を連続殺人鬼の魔の手から救おうと奮闘を始める。

ストーリー引用:ウィキペディアより


タイムパラドックスをテーマにした映画はたくさんありますが、
この作品はその中でも一番おすすめです。

サスペンスチックな要素もありながら、
感動できる作品です。

時を越えて親父を思う息子、息子を思う親父。
2人の愛情が感じ取れる、良作です。

疾走感のあるストーリー展開も魅力的ですが、
それよりも、家族の大切さを教えてくれる映画です。



ランナー・ランナー



ランナーランナー  (2013年 アメリカ合衆国)

主演はジャスティン・ティンバーレイク。
カジノの元締め役をベン・アフレックが演じ、
オンラインカジノを舞台とするクライムスリラー映画です。

主人公は実在のギャンブラーがモデルとされており、
カジノの世界で奮闘する感情豊かな主人公から目が離せない一作です。


【出演者】
リッチー・ファースト : ジャスティン・ティンバーレイク
アイヴァン・ブロック : ベン・アフレック
レベッカ・シャフラン : ジェマ・アータートン
シェイバース捜査官 : アンソニー・マッキー
アンドリュー・クローニン : オリヴァー・クーパー
ハリー・フュルスト : ジョン・ハード


【ストーリー】
ウォール街の大手投資会社で働いていたがリーマンショックで失業したリッチーは、
再就職のために名門プリンストン大学で修士号を取ろうとしていた。
前職が高収入だったために奨学金を受けられず、学費はオンラインカジノのアフィリエイトで稼いでいる。


しかし紹介した学生の紹介した学生のトラブルから学部長にそれがばれ、
紹介業をやめなければ退学だと言い渡されてしまう。
リッチーは仕方なくオンラインカジノ「ミッドナイトブラック」のポーカーに全貯金1万7千ドルを賭けて
6万ドルに増やそうとするが、納得のいかない負け方で全額を失ってしまう。








相手の勝率からカジノサイトに不信感を抱いたリッチーは、調査の末、不正の証拠をつかむ。
そのデータを手に、リッチーはサイト運営会社のある南米コスタリカへ飛び、
サイトのオーナーでありカジノ王として名を馳せているブロックに直談判する。


不正を指摘されたブロックは、翌日リッチーを"ハウス"と称するクルーザーに呼び出し、
不正はプログラマがシステムに仕掛けたバックドアから行われたものだったと会社の関与を否定する。
リッチーの口座にはすった賭け金が返金され、
世間に公表しなかった謝礼として残りの学費も振り込んであった。
そしてブロックは、破格の雇用条件を提示して彼をカジノ運営に誘う。


プリンストン大を出ても、一流企業に就職できる確率はランナーランナーで
フラッシュの確率と同程度だろう。リッチーは、彼の誘いに乗ることにする。
持ち前の頭脳と度胸で現場を動かし、アフィリエイト仲間を自らの部下として雇い、
水を得た魚のように仕事をこなすリッチー。
未だ手に入らないのはブロックのビジネスパートナーであり元彼女のレベッカのみ。


しかし3カ月が経った頃、白昼に街中で何者かに拉致されてしまう。
リッチーを拉致したのは、FBI捜査官シェイバース率いる捜査チームだった。
ブロックがカジノ運営の裏で違法行為を働いていると睨み、リッチーに協力を強請してきたのだ。
リッチーはブロックに報告するが、FBIの管轄外であり手出しは出来ないと一笑に付される。
そして今度は50万人の顧客を持つ大物アフィリエイターとの契約を命ぜられた。


彼は、相手を罠に嵌めて契約を取り、手にした3万ドルのボーナスで、部下を連れてリゾートへ出かける。
そこでのパーティで、ついにレベッカを落とす。
しかし翌朝、FBIがリッチーの部下にも接触、逮捕をちらつかされた一人が国に逃げ帰ると言いだす。
帰国して金融業をするという彼に、
もう一人の部下クローニンは投資してくれと言って”タンス預金”の札束を渡す。
札束は、シリアルの箱に隠してあった。
リッチーは社に残ったが、今度はコスタリカのギャンブル界を仕切るエレーラに賄賂を運べと言われる。
運んだ金が要求額に満たなかったためにリッチーは暴行され、
帰社してブロックに苦情を言うも、殴られるリスクも当然の仕事だと一蹴される。
この件で目の覚めたリッチーは帰国すべく空港に向かうが、すでにFBIの手が回っており、
現地警察を使って麻薬所持の冤罪を負わされ出国できなかった。


シェイバースは釈放と引き換えにブロックの情報を流せと詰め寄る。
コスタリカでは賄賂が物を言い、現地警察が起訴しても判事が買収されて終わりだという。
FBIが動いてアメリカで裁くしかないのだ。
社に戻ると、部下のクローニンがブロックの詐欺の動きを顧客データに見つけていた。
しかしその説明の途中でブロックから呼び出しがかかる。
カジノ場で偽札を使ったリッチーの父親を、警察に捕まる前に連行し、
危険な人物からの借金19万ドルを肩代わりした上でホテルに匿っていると言うのだ。
父親を人質に取られた形になったリッチーは、父親と共にブロックから逃げ出せるよう策を練り、
ほうぼうに賄賂を撒いて手はずを整えていく。


そしてクローニンから、とんでもない詐欺を見つけたと電話が入る。
すぐに向かおうとするが、リッチーはブロックの部下にタルコレス川に連れて行かれてしまう。
それはブロックがエレーラを拷問する現場であった。
リッチーがクローニンの部屋に着いた時には、すでに彼は何者かに拉致された後だった。
そこへ現れたレベッカ。
リッチーはブロックの差し金かと疑うが、彼女は否定し、
ブロックが1週間後にアンティグアへの逃亡を企てていると暴露する。
事業を始めて3年目にはすでに詐欺は行われており、
リッチーは罪を着せるためのスケープゴートとして雇われたのだった。
彼はレベッカに手を貸してくれと頼み、会社の裏金を盗んでさらに買収を続け、逃亡の準備をする。


FBIも業を煮やし、リッチーに48時間以内に証拠を出せと強要する。
リッチーはクローニンの部屋に戻り、”証拠”を探す。
そして、シリアルの箱の底にUSBメモリを見つけた。
クローニンは会社の犯罪ー出資金詐欺、ブロックの使い込み、資金洗浄、
リッチーに罪を着せるための偽装工作ーを完璧に調べ上げていた。


アンティグアへのプライベートジェットが発つまで48時間。
私は味方よというレベッカを信じ、パイロットの買収に向かう。
ブロックの部下に見つかってしまうが、すでに買収した現地人らにより部下は伸される。
警察が会社に乗り込む頃、ブロックとレベッカを乗せたプライベートジェットが飛び立った。
機が空港に到着しブロックが降り立つと、そこにはリッチーの姿があった。
到着したのはアンティグアではなく、アメリカの領土であるプエルトリコだった。
ブロックはFBIに逮捕される。


逮捕の隙を見て、レベッカとリッチーはプライベート機で飛び立つ。
気付いたシェイバースは慌てるが、預かりものだと空港職員から渡された紙袋を開けると、
USBメモリが入っていた。「これで無罪だ」と彼は笑う。


ストーリー引用:ウィキペディアより




本作のタイトルのランナーランナーって、ポーカー用語だったようですね。
ラスト2枚で完成した役のことを指すそうです。

まさにストーリーの展開もランナーランナー。
窮地に立たされたリッチーですが、最後の最後でどんでん返しが待っていました。

結果的にはスッキリできる結果で話がまとまり、
後味さっぱりといった感じです。


余談ですが、ブロック役を演じたベン・アフレックはカジノの腕前も相当なものだそうで、
まさにぴったりの役柄でした。

ストーリー展開がスムーズで、
軽快な印象でしたが、個人的にはもっと泥臭い感じの展開のほうが好きです。

ですが、ストーリー自体は面白く、スッキリした気持ちで見終えることができたので◎です。

気持ちよく映画を見終えたい方にはおすすめです。



セブン



セブン SEVEN   (1995年 アメリカ合衆国)

鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の名作。

主演、ブラッドピット。相方役のモーガン・フリーマンとのやり取りも面白い作品です。


【ストーリー】

雨の降りしきるとある大都会。

退職まじかのベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と新人刑事のミルズ(ブラッド・ピット)
は、とある死体発見現場へ向かっていた。





死体となっている男は信じられないほどの肥満体、彼は食べ物の中に顔をうずめて死んでいた。
死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。

何者かに手足を拘束された状態で、銃で脅されながら強制的に食事をとらされていたことが
判明し、殺人事件と断定された。

サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチック破片から、
現場で犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、
事件の始まりを示唆したメモ書きを発見した。





次の被害者は強欲な弁護士の男。
彼は高級オフィスビルの自室で血まみれの状態で殺害されていた。

現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字。
サマセットは、犯人が「七つの大罪」をモチーフにして連続殺人を犯していると判断した。





その後の捜査で、壁に指紋で書かれた「HELPME」の文字が発見され、指紋から前科者の
通称ヴィクターが浮かび上がった。

警察がヴィクターの部屋に踏み込むと、
彼は左手首を切られ、舌を噛み切った状態で、ベットに縛り付けられ廃人となっていた。
壁には「SLOTH(怠惰)」の文字。
部屋には警察が踏み込んだ日の1年前からヴィクターが衰弱していく模様を写した写真が残され、
犯人は計算した上でヴィクターを拘束した1年後にヴィクターの部屋に踏み込ませたのだった。

手がかりを失ったサマセットは知人のFBI関係者と裏取引し、
図書館の貸し出し記録を違法に入手する。
その記録から「七つの大罪」に関する書物を借りていた明らかに偽名と分かる
ジョン・ドウ”という男を容疑者として割り出した。

サマセットとミルズがジョンのアパートを訪ねると、偶然、帰宅してきた彼と鉢合わせする。
ジョンは2人に発砲すると逃走をはかり、ミルズは後を追うが、隠れていたジョンに顔を殴られ、
頭に銃口を突きつけられる。しかし、何故かジョンは撃たず、逃走する。


警察がジョンの部屋の捜査を始めると、これまでの被害者の写真が発見され、
彼が一連の事件の犯人と断定される。
さらには、ヴィクターの自宅を捜査していた時に撮られたミルズの写真も発見される。
ジョンは大胆にも報道カメラマンを装って警察の前に現れていたのだった。
そこへ、ジョンから電話があり、彼は警察への称賛と計画変更を挑戦的に告げる。

ほどなくして、ある娼婦が、4番目「LUST(肉欲)」として殺害される。
続けざまに美人モデルが5番目「PRIDE(高慢)」の死体として発見され、
彼女は自慢の顔面を切り裂かれたことで、警察・病院へ通報することなく、自らの命を絶っていた。


「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」が残る中、
サマセットらが勤める警察署に血塗れの服を着たジョンが自首してくる。
ジョンは取り調べを受けるが、彼の本名、経歴、目的は一切不明。
ジョンは弁護士を通じてミルズとサマセットの2人を指名し、
彼らに残る2つの死体の隠し場所を教えるという。


ジョンは2人を伴って、ある荒野に連れて行かせる。
3人が待っていると、宅配便がやってきて1つの小さな箱を置いていく。
サマセットが調べると、箱の中にはミルズの妻・トレイシーの生首が入っていた。
ジョンはミルズに箱の中身を教え、自分は彼を羨んでトレイシーを殺したと明かした。
逆上したミルズはサマセットの制止を無視してジョンを射殺する。


6番目の「ENVY(嫉妬)」はジョン自身、7番目の「WRATH(憤怒)」はミルズのことだったのだ。
ジョンの目論みは成功し、彼の正体も動機も不明のまま事件は終結した。




次々と事件が展開されていく中で、

ミルズとサマセットのやり取りがとても面白い作品です。

スピード感のあるストーリー展開で、目が離せません。

デヴィッド・フィンチャー監督の作品はどれも面白いですが、

セブンが知名度・内容ともに一番の作品ではないでしょうか。


映画好きの人は絶対に見ておくべきおすすめ作品です。

グロテスクなシーンもあるため、そういった刺激に弱い方は少し注意してください。